傾聴で勘違いしていたこと

最近、「傾聴術─ひとりで磨ける"聴く"技術─」という本を読みました。実際にありそうなシチュエーションでの会話例や、演習がたくさん詰まっていてめちゃくちゃ勉強になったので、とてもおすすめです。

さて、この本を読んでいて、傾聴について今まで勘違いしていたなーと個人的に思うのは、「傾聴においては、必ずしも質問や要望に答える必要はない」ということです。例えば、自分が塾の先生だとして、生徒に「先生!学校でツーブロックが禁止なんですけど先生はどう思いますか?」と聞かれて、どう応えますか?

質問の真意

上にあげた「ツーブロ禁止についてどう思いますか?」の質問に対する返答例として、

などがあると思います。これらは、日常会話としては良くある返答ですよね。しかし、これらは生徒の質問に込められている思いに共感できていないという点で、良い傾聴とは言えません。私も、この本を読むまでは1番目みたいな返答をしてしまっていたな……。

傾聴で大切なことは、相手の発言に込められている思いに深く共感することです。ここでは、生徒は学校でツーブロックを禁止にされていることに不満を抱いていると推測できるので、その不満に思いを馳せながら「うんうん、学校で先生にツーブロックを禁止されているのに不満を感じているんだね」などと返すのが良いのではないでしょうか。

ここで大事なのは、この質問は実際に自分の意見を尋ねているものではない、ということです。実際は、生徒が校則に不満を抱いていて、それを直接表現するのは憚られるので質問として感情を表現しているんですね。なので、この質問に対して自分の意見を述べる必要はないわけです。

別の例として、夫婦喧嘩のときの「仕事と私、どっちが大事なの!」を考えてみましょう。良くある返答として、

などがありますね。

しかし、奥さんは「どっちが大切だ」と相手に答えてほしくてこの質問をしたわけではありません。本当は「仕事ばかりやっていないで、私をもっと大切にしてほしい」ということを言いたいけれども、直接そうやっていうのは気が引けるので質問として投げかけたわけです。よって、これでどっちが大事だとか答えてしまうと、相手に共感できていない返答になってしまうわけです。

相手の「自分が大切にされていない」という気持ちを理解して「うんうん、仕事を優先されて自分が蔑ろにされているように感じてるんだね。寂しくさせちゃってごめんな」などと返答すれば、早く夫婦喧嘩が収まるのではないでしょうか。あとはちゃんと奥さんを大切にしてあげてください。